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【大学院入試対策】大学院入試数学の対策法

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大学院入試数学の対策法

この記事は数学科以外の理学系・工学系の大学院入試を想定して書かれています。

理学系・工学系の方の中で、「大学院入試の科目に数学があるけどどう対策したら良いか分からない。」「どれくらいのレベルの内容が問われるのか分からない。という方も多いのではないでしょうか?

今回は大学院入試の数学の対策法を紹介していきたいと思います。

微分積分、線型代数など、細かい分野ごとの対策は以下の記事にて随時紹介予定ですのでこちらからご確認ください!

  • 【大学院入試対策】微分積分の勉強法とオススメ参考書(執筆中)
  • 【大学院入試対策】線形代数の勉強法とオススメ参考書(執筆中)
  • 【大学院入試対策】確率・統計の勉強法とオススメ参考書(執筆中)
  • 【大学院入試対策】常微分方程式の勉強法とオススメ参考書
  • 【大学院入試対策】ベクトル解析の勉強法とオススメ参考書(執筆中)
  • 【大学院入試対策】複素関数論の勉強法とオススメ参考書(執筆中)
  • 【大学院入試対策】フーリエ解析・ラプラス解析の勉強法とオススメ参考書(執筆中)
  • 【大学院入試対策】偏微分方程式の勉強法とオススメ参考書(執筆中)

過去問を見て出題分野を把握する

一口に数学と言っても、出題分野は専攻や学校によって様々です。

なのでまずは過去問を入手して、どの分野が出題されるのかを確認してみましょう。
学校によっては毎年必ず線型代数が出題されているなど、明らかな傾向がある場合もあります。
その場合、当然出題頻度の高い分野から順に対策をしていくことが重要です。

なお過去問は、国立大学はウェブ上で公開されている場合が多いですが、私立大学は取り寄せの場合もあります。
自分の志望校の過去問の入手方法を調べて、早めに対策を始めましょう!

どんな問題が出題されるのか

では具体的にどんな問題が出題されるのでしょうか?旧帝大の物理学・化学専攻のごく一部を除けば、ほとんどの出題はどの分野でも計算問題です。
大学入試の数列や整数問題では具体的に調べてみて法則を掴む、「発見法的な」問題もありましたが、大学院入試ではその出題のほとんどが計算問題なのです。
ですので、どの分野でもまずはそれぞれの用語の定義や定理を理解して、具体的な計算に慣れる必要があります。

それでは、具体的に、どのようなパターンの問題に慣れて行けば良いのでしょうか?
以下で分野ごとに紹介していきたいと思います。
自分の志望校で出題されている分野を調べて、該当する箇所を読み進めて行ってください。

微分積分

微分積分は理工系であればどの学科でも必ず1年生で学ぶ分野です。
また、微分積分の問題が直接出題されていないとしても、微分方程式を解くとき、フーリエ変換を計算するときなど様々なところで微分積分の計算を行う必要があります。
基本的な計算に不安がある人は、他の分野をやる前にまず一度微分積分を復習することをおススメします。

高校でも微分積分は習いましたが、大学に入ってから新たに、

  • 多変数関数の微分(偏微分や全微分)
  • 多変数関数の積分(重積分や線積分)

などを詳しく学びましたよね。
ですので、おのずと大学院入試ではこれらの計算が問われることが非常に多いです。

例えば偏微分はベクトル解析や偏微分方程式のところでも出てきます。
ですので、繰り返しになりますが、微分積分の計算があやふやな場合は一度復習をしておきましょう。

線形代数

微分積分と並んで理工系の基礎科目になっているのが線形代数です。
例えば物体が複数ある系の運動を調べる場合は連立微分方程式を解く必要が出てくるため、ここでもやはり線形代数が活躍します。
また、量子力学(量子論)では、ある種の行列の概念が非常に重要な役割を担います。

10年ほど前までは高校数学の数学Cに行列が入っていましたが、現行過程では大学に入ってから線形代数を勉強することになっています。
そのため、微分積分と同じくらい重要な分野であるにも関わらず、高校から学び始めた微分積分よりも対策が手薄な人がとても多い分野でもあります。

また微分積分に比べて、やりたい計算の意味を図式化するのが難しかったりと、なかなか直感的な理解がしづらい分野でもあります。
それぞれの演算の意味を理解しながら学習を進めて行きましょう。

確率・統計

確率・統計は統計現象を幅広く扱う分野でその応用例も非常に多種多様です。
また、実験中心の研究分野・研究室では非常に重要です。
但し、数値計算ではなく手計算で答えが出せる「試験向け」の問題のバリエーションには限りがあるので、自分の分野でよく使う確率分布の計算や、簡単な条件付確率やベイズの定理を使う問題を中心に対策していけば良いと思います。

常微分方程式

常微分方程式は力学や電気回路、化学反応などで登場する微分方程式で、物理、化学、工学と分野を問わず頻出です。
常微分方程式の分野は関連した定理の証明を問われることはほとんどなく、

  • 常微分方程式の一般解を求める
  • その一般解を利用して、与えられた初期条件に適する特殊解を求める

の2パターンの問題が90%以上を占めます。
一般解さえ求めることができれば、後者は簡単な方程式を解くだけの場合がほとんどですので、一般解を求める計算に慣れておくことが最重要事項です。
それぞれの常微分方程式の形に対して、「この形の場合はこのように式変形をする」というパターンがありますので、良く出題されるパターンを中心に演習を重ねていきましょう!

常微分方程式についてはオススメの参考書についての記事と、具体的な計算練習を詳しい解説付きで扱った記事もありますので、こちらも併せて確認してください!

【大学院入試対策】常微分方程式の勉強法とオススメ参考書

更に、常微分方程式の問題演習とその解説も行っています。期末テストや大学院入試対策に利用してください!

【大学院入試対策】常微分方程式演習1

【大学院入試対策】常微分方程式演習2

【大学院入試対策】常微分方程式演習3

【大学院入試対策】常微分方程式演習4

【大学院入試対策】常微分方程式演習5

 

ベクトル解析

ベクトル解析は電磁気学や流体力学で必要になります。このため、物理学系や工学系で出題されることが多いです。
グラディエント、ダイバージェンス、ローテーションの計算の定義や関連する諸公式を抑えることが最重要事項です。

また、ストークスの定理やガウスの発散定理を経由して難しい積分を簡単な積分計算に置き換えて計算するという問題も頻出です。

更に、直交座標以外の座標(主に極座標と円柱座標)のラプラシアンを計算する問題なども出題されることがあります。
これはラプラシアンの定義を確認しながら一度自分で導出したかどうかで大きく差がつく問題ですので、ベクトル解析が出題される可能性がある場合は必ず確認しておきましょう。

ベクトル解析は数学の科目として出題されなくても、電磁気学などで間接的に聞かれる場合もあります。
例えば、真空中のマクスウェル方程式にベクトル解析の公式を当てはめて波動方程式を導出する問題は物理の入試問題で頻出です。

更に、ベクトル解析の問題演習とその解説も行っています。期末テストや大学院入試対策に利用してください!

【大学院入試対策】ベクトル解析演習1
【大学院入試対策】ベクトル解析演習2
【大学院入試対策】ベクトル解析演習3
【大学院入試対策】ベクトル解析演習4
【大学院入試対策】ベクトル解析演習5
【大学院入試対策】ベクトル解析演習6
【大学院入試対策】ベクトル解析演習7
【大学院入試対策】ベクトル解析演習8
【大学院入試対策】ベクトル解析演習9
【大学院入試対策】ベクトル解析演習10
【大学院入試対策】ベクトル解析演習11
【大学院入試対策】ベクトル解析演習12
【大学院入試対策】ベクトル解析演習13
【大学院入試対策】ベクトル解析演習14
【大学院入試対策】ベクトル解析演習15

複素関数論

複素関数論は量子力学や流体力学などで重要になります。
オイラーの公式や複素数の簡単な計算程度であればどの分野でも必要になりますが、留数計算や等角写像法など発展的な計算を必要とする分野に関連した専攻であれば複素関数論が大学院入試で出題されることがあります。

最頻出なのは留数計算を実積分の計算に応用する問題ですので、留数計算に慣れておくことが重要です。

フーリエ解析・ラプラス解析

フーリエ解析・ラプラス解析は振動現象を扱うことがある分野で出題されることが多いです。

具体的にはフーリエ級数の計算や、ある関数のフーリエ変換・ラプラス変換を計算する問題が良く出題されます。

また、これらの変換を利用して微分方程式を解く問題もよく出題されるので計算手順を確認しておきましょう。

偏微分方程式

偏微分方程式はポアソン方程式(ラプラス方程式)、波動方程式、熱拡散方程式など、物理現象に関連する方程式を解かされる問題が多いです。

変数分離をして計算を行う手順を確認しておきましょう。
またこれらの方程式に従う波の式や温度勾配の式には、境界条件に従って物理的な意味づけが行われることが多いです。
時間が無限大の極限を計算したりして物理的な意味づけとコンシステントか(つまり、計算ミスをしてしまっていないか)をチェックする練習も併せて行いましょう。

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