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【電磁気学】第01講|電磁気学とはどのような学問か?①

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今回から電磁気学の入門講義を始めます。
電磁気学とはどのような学問なのかという導入部分の解説やベクトル解析の復習も丁寧に行っていきます。

この講義について

この講義では学部1・2年生を対象にして電磁気学の入門を行う。予備知識は高校物理と大学1年生レベルの古典力学・微分積分・線型代数・常微分方程式である。

電磁気学を大学で学ぶためにはベクトル解析の知識が必要不可欠であるが、これについては第1章で詳しく解説を行うので必ずしも前提知識として持っている必要はない。

大学で学ぶ電磁気学は、古典力学の時よりも多くの学生が挫折してしまう。理由はやはりその基礎となっている数学が古典力学よりも難しいものだからだろう。

そもそも、高校物理の頃から、「古典力学はまあまあ出来るけど電磁気は苦手」という人が多かったのではないだろうか。

これは、本来微分積分やベクトル解析を用いて理解する必要がある方程式を丸暗記させられていたことが原因である。

大学では、物理数学をしっかり習得して、苦手意識のある電磁気学に胸を張って挑戦してほしい。大学で電磁気学を学ぶということは、高校の頃やった公式の暗記をやめて、方程式の物理的意味を捉える訓練をするということなのである。
それ故、電磁気学を学ぶためにはまず基礎となる物理数学、特にベクトル解析に習熟している必要がある。

この講義では、まず第0章と称して電磁気学とはどのような学問であるかということを説明する。

そして第1章で電磁気学を学ぶために必要なベクトル解析の知識を丁寧に導入する。もしも、ベクトル解析の知識が十分にあるならばこの章は飛ばしてしまっても構わない。

続く第2章から第4章で電気学、すなわち電場についての解説を行い、第5章から第7章では磁気学、すなわち磁場についての解説を行う。

第7章の最後で、電磁気学の基礎方程式がMaxewll 方程式という4本の式で書けることを見ることになる。

第8章から第12章では電気力学と特殊相対性理論の関係について見ていく。これは20世紀初頭の物理学の大きな発展につながる重要なテーマである。

この講義では、電磁気学の基礎的な内容を解説しながら、時には例題を出して具体的な問題を解くということも行う。これらの行間を自分でしっかりと手を動かして追っていけば電磁気学についての深い理解が得られるようになっている。

本講義のスタイルは一貫してDavid J.  Griffiths, “Introduction to Electrodynamics”, (Pearson, 2014)を参考にした。
これ以外の参考書については、例えば、私の書いた記事『【永久保存版!】現役大学生が教える電磁気学のオススメ参考書』を参考にしていただきたい。

力学の4分野

物理学における力学の偉大な4分野は次の通りである。

 

古典力学

Newton, Euler, Lagrange, Hamilton, et al.

量子力学

Bohr, Heisenberg, Schrodinger, et al.

特殊相対性理論

Einstein

場の量子論

Dirac, Pauli, Feynman, Schwinger, et al.

 

Newton 力学は日常の殆どの状況において十分に実用に耐えうる。

しかし、物体の速度が光速度に近付くぐらいまで速くなった場合は修正を迫られ、特殊相対性理論に置き換えられる。特殊相対性理論はEinstein によって1905年に提唱された。

加えて、物体の大きさが原子の大きさぐらいまで小さくなった場合も修正を迫られ、量子力学に置き換えられる。

量子力学はBohr、 Schrodinger、Heisenberg を始めとする多くの物理学者たちによって提唱され、1920年代に殆どの発展を遂げた。そして、現代の素粒子物理学において議論されているように、物体が光速度に近付くぐらいまで速くなり、かつ大きさが原子の大きさぐらいまで小さくなった場合は、物体の力学は特殊相対性理論における原理と量子力学における原理に規則通り結びつくこととなる。

この相対論的量子力学は場の量子論として知られており、1930年代から1940年代にかけて発展を遂げたが、今日の物理学においても完璧に満足のいく体系とはなっていない。

この本では、最後の章を除き、専ら古典力学の領域で話を進めるが、電磁気学は他の3分野に独自の単純さで拡張される。

事実、電磁気学の理論は殆どの点について特殊相対性理論との整合性が自動的に取れており、歴史的には、そのことが発展の主なきっかけとなった。

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