古典力学08
調和振動
単振動
フックの法則などにより、運動方程式が以下の形で書けるとき、系は単振動を行う。
m¨x=−kx
実際、これを解くとx(t)=Acos(ωt+ϕ)と書くことができる。運動方程式は時刻tに関して2階の常微分方程式なので、積分定数は2つ必要である。ここでは振幅Aと初期位相ϕが積分定数である。このとき、角振動数ωと周期Tは以下であらわせる。
ω=√km, T=2πω=2π√mk
これは複素定数C1,C2を用いて以下のように書いても良い。
x(t)=C1e−iωt+C2eiωt
オイラーの公式を用いると2式が同値であることが直ちに得られるため、問題に応じて適切な方を使えば良い。単振動の問題に必要な事柄はこれで尽きている。しかし、微分方程式を解くのは最終手段であると考えた方が良い。選択式の問題であれば1問2分前後で解けるように作られている訳なので、極限、次元解析、対称性、エネルギー保存則を利用して答えが絞れる問題しか出題されない。
基準振動
N質点系の振動を扱う際にはより複雑な計算を行うことになる。各質点の平衡点からの変位をqkとすると、系全体の運動方程式は
∑k(Ajkqk+mjk¨qk)=0
となる。ここで先の単振動の解の形に倣ってここでも解が以下のようにあらわせると仮定する。
qk(t)=Akeiωt
このとき、運動方程式は以下のように書き直すことができる。
∑k(Ajk−ω2mjk)ak=0
これは係数がakの行列の方程式なので非自明な解を持つための条件は
det(Ajk−ω2mjk)=0
である。これをωについて解くことで基準振動の角振動数を求めることができる。しかし、先の単振動の問題と同様、この方程式を解くのは最終手段であると考えた方が良い。繰り返しになるが、このタイプの問題も殆どは極限、次元解析、対称性、エネルギー保存則を利用して答えが絞れる。
減衰振動・臨界減衰・過減衰・共鳴
復元力に加えて、速度に比例する抵抗力Fdamp=−b˙x=−2mβ˙xが働く場合を考える。このとき、運動方程式は
¨x+2β˙x+ω20x=0, ω0=√km
となる。β2<ω20のとき、この運動方程式の一般解は、 x(t)=Ae−βtcos(ω1t−δ), ω1=√ω20−β2
である。これは減衰振動する解である。β2>ω20のとき、抵抗力は復元力よりも大きいので、解は振動することなく減衰する。これは過減衰する解である。β2=ω20のとき、これら2つの振る舞いの中間に相当する振る舞いとなる。これは臨界減衰する解である。
次に、上記の系に周期的な外力が加わるような強制振動の問題を考えてみる。すなわち、このときの運動方程式は、
¨x+2β˙x+ω20x=Acosωt
である。このとき、強制振動の振幅は強制振動の角振動数ωが、
ωR=√ω20−2β2
の付近で急激に増大する。この現象を共振という。特に、β/ω0≪1、すなわち抵抗力が比較的小さい場合には、質点の振動の振幅Dは近似的に以下であらわせる。
D∝1|ω20−ω2|
振動に関する補足
ひとつの物体に複数のばねが繋がっている場合、それらを合成して1個のばねであるかのようにみなすことができる。これは電気回路の直列・並列における抵抗の合成に似ている。