弦理論入門14
閉じた超弦
低エネルギー有効作用:超重力理論
II 型超弦理論の低エネルギー有効作用は前回の表で列挙された零質量の閉じた超弦の状態によって得られる。この作用は超重力理論の作用に対応している。我々は弦の系での超重力理論における作用を得て、超重力理論のBoson 部分だけを書き出す。超重力理論は局所的な超対称性を必要とすることによって、超弦理論と独立して構成することも出来る。これは自然に一般相対性理論を内包している。超重力理論はD=11次元以下であればいかなる次元でも定式化することが出来る。D=11次元未満の超重力理論の多くはただ1つの11次元の超重力理論をコンパクト化することで得られる。この理論で紫外完備化がなされているものをM 理論という。
IIB 型の超重力理論
場を表現に対応付けることで、IIB 型の超重力理論の場が得られる。これらは下の表に列挙されている。これらの場を含んでいることによって、理論はカイラルでありパリティは破られている。弦の系におけるIIB 型の超重力理論の作用のBoson 的な部分は
SIIB=12˜κ210[∫d10X√−g(e−2ϕ(R+4∂Mϕ∂Mϕ−12|H(3)|2)−12|F(1)|2−12|˜F(3)|2−14|˜F(5)|2)−12∫C(4)∧H(3)∧F(3)]
となる。但し、以下のようなノーテーションを用いた。
∫d10X√–g|F(p)|2=1p!∫d10X√–ggM1N1⋯gMpNpˉFM1⋯MpFN1⋯Np
そして、ˉF(p)はF(p)の複素共役である(ここでは、RR 形式の場は実場であり複素共役が自明であると仮定して議論した。)。更に、˜κ10は10次元の重力定数であり、
2˜κ210=(2π)7α′4
という関係が成り立っている。Boson 的な理論の場合、10次元のNewton 定数を決めるためには、ディラトンの漸近値ϕ0を考慮に入れて、
2κ210=2˜κ210g2s=(2π)7α′4g2s
によって与えられるκ10を代わりに考える。これはNewton 定数G10とκ210=8πG10という関係がある。場の強さテンソルは外微分dを用いて、
{F(p)=dC(p−1)H(3)=dB(2)˜F(3)=F(3)−C(0)H(3)˜F(5)=F(5)−12C(2)∧H(3)+12B(2)∧F(3)
で与えられる。加えて、自己双対条件
∗˜F(5)=˜F(5)
を課す必要がある。
場 | SO(8)表現 | 物理的性質 |
gMN | 35 | 計量(グラビトン) |
C(0)+iexp(−ϕ) | 12 | アクシオンディラトン |
B(2),C(2) | 282 | 2形式 |
C(4) | 35+ | 自己双対4形式 |
ΨIαM, I=1,2 | 56′2 | Majorana-Weyl グラビティーノ |
λIα I=1,2 | 8′2 | Majorana-Weyl ディラティーノ |
超対称性のある閉弦の最低状態