カイラル超場
Φ(x,θ,ˉθ)で書かれるカイラル超場は以下の拘束条件によって決定される。
ˉD˙αΦ(x,θ,ˉθ)=0
成分場を見出すためには、以下の式のような、xμと関連付けられた新しい超空間の座標yμ−とyμ+を導入するのが便利である。
yμ±=xμ±iθσμˉθ
座標yμ+は以下の式を満たす。
ˉD˙αyμ±=0
更に、ˉD˙αθ=0が成り立つので、(185)を満たす超場Φ(x,θ,ˉθ)は、y+とθの任意の関数として次のように書ける。
Φ(x,θ,ˉθ)=ϕ(y+)+√2θψ(y+)+θ2F(y+)=ϕ(x)+iθσμˉθ∂μϕ(x)+14θ2ˉθ2∂ρ∂ρϕ(x)+√2θψ(x)−i√2θ2∂μψ(x)σμˉθ+θ2F(x)
但し、ϕ(x)は複素スカラー場で、ψは左巻きWeyl スピノール場である。更に、Fは複素スカラー補助場である。最後の行の式はϕ、ψ、Fの場をx座標系でTaylor 展開したものである。座標y−を使うことは、以下のようなカイラル表現に対応している。これは超対称微分が反対称表現を取っている。
Dα=∂∂θα+2iσμα˙αˉθ˙α∂∂yμ+ 、 ˉD˙α=−∂∂ˉθ˙α
問題
Φ1とΦ2がカイラル超場であるとき、Φ1+Φ2とΦ1Φ2もカイラル超場であるということを示せ。
問題
超場の超対称性変換(184)を用いて、成分場の超対称性変換を
{δϵϕ(x)=√2ϵψ(x)δϵψ(x)=√2i(σμˉϵ)∂μϕ(x)+√2ϵαF(x)δϵF(x)=√2iˉϵˉσμ∂μψ(x)
と決定せよ。これは(169)と一致するだろうか。
更に、次の式を満たすような反カイラル多重項Φ†を導入することが出来る。
DαΦ†=0
Φ†はy+とˉθについて、(188)で与えたカイラルな場合の展開と類似の式となる。この展開が上で用いたカイラル表現を有していたのに対して、Φ†の展開は共役を取ることで得られるような反カイラル表現を用いることで簡潔な形となる。
問題
Dの複素共役がˉDであることを示せ。更に、もしΦがカイラル超場であるなら、その複素共役Φ†が反カイラル超場であることについて述べ、Φ†の展開式を与えよ。
問題
超場の積Φ†Φのθ2ˉθ2の成分が以下の式で与えられることを示せ。
(Φ†Φ)θ2ˉθ2=14(−2∂μϕ∗∂μϕ+ϕ∗∂ρ∂ρϕ+ϕ∂ρ∂ρϕ∗−2iˉψσμ↔∂μψ+4F∗F)
ここで、Φ†Φが実超場になることに注意せよ。
以上の演習問題はどれも基本的な計算なので、超場の計算に慣れるためにもぜひ演習してもらいたい。次回以降はベクトル超場の解説を2回に分けて行う。