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【量子力学】量子力学5-具体的な問題3

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$\def\bm#1{{\boldsymbol{#1}}}$
$\def\rmd#1{\mathrm{d}{#1}}$
$\def\Braket#1{\langle{#1}\rangle}$
$\def\Bra#1{\langle{#1}|}$
$\def\Ket#1{|{#1}\rangle}$
$\def\kb{k_{\text{B}}}$
$\def\dag{\dagger}$

量子力学05

有限の深さの井戸型ポテンシャル

この問題は、量子力学の初歩で扱う例題である。問題としては簡単だが、得られる解は量子論の特徴や物性への応用問題の本質をよく表しているので、典型問題である。

もし$-a\leq {x}\leq {a}$の範囲で$V(x)=-V_0<0$としたら、波動関数は左右対称、すなわち、偶関数になる。この問題で重要なのは、井戸内では正弦波、井戸外では指数関数的減衰、波動関数は常に連続、という$3$点である。

散乱問題

$k>0$とすると$\mathrm{e}^{ikx}$は右方向に伝播する波をあらわすので、$|x|\leq a$にポテンシャルがあるとしたら、波動関数は以下のようにあらわせる。

\begin{equation}
\psi(x)=\left\{
\begin{array}{lc}
A\mathrm{e}^{ikx}+B\mathrm{e}^{-ikx},&x\leq -a\\
\text{Something},&-a\leq x\leq a\\
C\mathrm{e}^{ikx},&x\geq a
\end{array}
\right.
\end{equation}

ここで、$A$は入射波の振幅、$B$は反射波の振幅、$C$は透過波の振幅をあらわしている。従って、反射確率$R$と透過確率$T$は次のように書ける。

\begin{equation}
R=\dfrac{|B|^2}{|A|^2},~~~T=\dfrac{|C|^2}{|A|^2}
\end{equation}

デルタ関数型ポテンシャル、すなわち、デルタ関数井戸$V(x)=-A\delta(x)$とデルタ関数障壁$V(x)=A\delta(x)$には反射確率と透過確率が等しいという性質がある。

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