MENU

【大学院入試対策】常微分方程式演習2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

常微分方程式演習2

今回は変数分離形の常微分方程式の問題演習をしましょう。

問題2

次の微分方程式の一般解を求めよ。
(1)
$(1+x)y+(1-x)y’=0$

(2)
$\sqrt{x}y’+y^2=0$

(3)
$yy’=-(1+y^2)\sin{x}$

(4)
$y’=y(1-y)$

(5)
$\exp^xy’~2(x+1)y^2$

(6)
$x(y-3)y’=4y$

(7)
$(x^2-4x)y’+y=0$

(8)
$xyy’=(y+1)(1-x)$

解答2

(1)
与式について$y\neq0$と仮定すれば、
\[
\frac{y’}{y}=\frac{x+1}{x-1}
\]
両辺$x$で積分して
\[
\log{|y|}=\int \frac{x+1}{x-1}dx=\int \left(1+\frac{2}{x-1}\right)dx=x+2\log{|x-1|}+C (C:任意定数)
\]
\[
y=\pm \mathrm{e}^{C}\mathrm{e}^{x}(x-1)^2=A\mathrm{e}^{x}(x-1)^2 (A:0でない任意定数)
\]
ところで、与式より$y=0$のとき$y’=0$であり、 これらは与式を満たすため$y=0$も与式の解である。

従って$A$の定義を変えれば求める一般解は
\[
y=A\mathrm{e}^{x}(x-1)^2 (A:任意定数)
\]

(2)
与式について$y\neq0$と仮定すれば、
\[
\frac{-y’}{y^2}=\frac{1}{\sqrt{x}}
\]
両辺$x$で積分して
\[
\frac{1}{y}=2\sqrt{x}+C (C:任意定数)
\]
従って求める一般解は
\[
y=\frac{1}{2\sqrt{x}+C}
\]
ちなみに、 $C$がいかなる値であっても$\displaystyle\frac{1}{2\sqrt{x}+C}\neq0$なので、$y=0$は特異解である。

(3)
与式より$y^2+1\neq0$であるので、
\[
\frac{2yy’}{y^2+1}=-2\sin{x}
\]
両辺$x$で積分して
\[
\log{(y^2+1)}=2\cos{x}+C (C:任意定数)
\]
従って求める一般解は
\[
y^2+1=\exp{(2\cos{x}+C)}
\]
を満たすようなyである。ちなみに、$\mathrm{e}^Xは\exp{(X)}$とも表せる。
Xが複雑な値を取る場合や分数になる場合は\exp{(X)}で書いた方がスッキリする。

(4)
与式について$y\neq0$ 、 $y\neq1$と仮定すれば、
\[
\int \frac{1}{y(1-y)}dy=\int dx
\]
\[
\log{|y|}-\log{|y-1|}=x+C (C:任意定数)
\]
従って
\[
\frac{y}{y-1}=\pm\mathrm{e}^{x+C}=A\mathrm{e}^x (A:0でない任意定数)
\]
ところで、与式より$y=0$のとき$y’=0$であり、 これらは与式を満たすため$y=0$も与式の解である。
従って$A$の定義を変えれば求める一般解は
\[
y=1+\frac{1}{A\mathrm{e}^x -1} (A:任意定数)
\]
ちなみに、$C$がいかなる値であっても$\displaystyle\frac{1}{A\mathrm{e}^x -1}\neq0$なので、$y=1$は特異解である。

(5)
与式について$y\neq0$と仮定すれば、
\[
\int \frac{y’}{y^2}dx=\int \frac{2(x+1)}{\mathrm{e}^x}dx=-(x+1)\mathrm{e}^{-x}+\int \mathrm{e}^{-x}dx
\]
\[
\frac{-1}{y}=-\left\{(x+2)\mathrm{e}^{-x}+C\right\} (C:任意定数)
\]
従って求める一般解は
\[
y=\frac{\mathrm{e}^x}{C\mathrm{e}^x+2(x+2)}
\]
ちなみに、$C$がいかなる値であっても$\displaystyle\frac{\mathrm{e}^x}{C\mathrm{e}^x+2(x+2)}\neq0$なので、$y=0$は特異解である。

(6)
与式について$y\neq0$と仮定すれば、
\[
\left(1-\frac{3}{y}\right)y’=\frac{4}{x}
\]
両辺$x$で積分して
\[
y-3\log{|y|}=4\log{|x|}+C=4\log{x} +C (C:任意定数)
\]
従って求める一般解は
\[
y-3\log{|y|}=4\log{x}+C
\]
を満たすような$y$である。ちなみに、$y=0$は特異解である。

(7)
与式について$y\neq0$と仮定すれば、
\[
\frac{y’}{y}=\frac{-1}{x(x-4)}
\]
両辺$x$で積分して
\[
\log{|y|}=\frac{1}{4}\left\{\log{|x|}-\log{|x-4|}+C\right\}=\log{\Bigl|\frac{x}{x-4}\Bigr|^\frac{1}{4}}+\log{\exp{\left(\frac{1}{4}C\right)}} (C:積分定数)
\]
\[
y=\pm\exp{\left(\frac{1}{4}C\right)}\Bigl|\frac{x}{x-4}\Bigr|^\frac{1}{4}=A\Bigl|\frac{x}{x-4}\Bigr|^\frac{1}{4} (A:0でない任意定数)
\]
ところで、与式より$y=0$のとき$y’=0$であり、これらは与式を満たすため$y=0$も与式の解である。
従って$A$の定義を変えれば求める一般解は
\[
y=A\Bigl|\frac{x}{x-4}\Bigr|^\frac{1}{4} (A:任意定数)
\]

(8)
与式について$y\neq-1$と仮定すれば、
\[
\frac{yy’}{y+1}=\frac{1}{x}-1
\]
両辺$x$で積分して
\[
\int \left(1-\frac{1}{y+1}\right)y’ dx=\int \left(\frac{1}{x}-1\right) dx
\]
よって求める一般解は
\[
y-\log{|y+1|}=\log{|x|}-x+C (C:任意定数)
\]
を満たすような$y$である。ちなみに、$y=-1$は特異解である。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。