常微分方程式演習5
今回は高次定数係数形の常微分方程式の問題演習をしましょう。
問題5
(1)
y”−12y′+36y=0
(2)
y”−8y′+25y=0
(3)
y”′+2y”−5y′−6y=0
(4)
y”′+4y′=0
(5)
8y”−2y′−y=0
(6)
y”′−y”+100y′−100y=0
解答5
以下、 2階定数係数線形微分方程式y”+ay′+by=0に対してt2+at+b=0というtの2次方程式をこの微分方程式の特性方程式と定義し、 D2=a2−4bを特性方程式の判別式とする。また、3階定数係数線形微分方程式y(3)+ay”+by′+cy=0に対してt3+at2+bt+c=0というtの2次方程式をこの微分方程式の特性方程式と定義する。
(1)
与えられた微分方程式の特性方程式は
t2−12t+36=(t−6)2=0
よってD=0、t=6であるので求める一般解は
y=(C1+C2x)e6x (C1、C2:任意定数)
(2)
与えられた微分方程式の特性方程式は
t2−8t+25=0
よってD=64−100=−36<0、t=4±√16−25=4±3iであるので求める一般解は y=(C1cos3x+C2sin3x)e4x (C1、C2:任意定数)
(3)
与えられた微分方程式の特性方程式は t3+2t2−5t−6=(t+1)(t−2)(t+3)=0
(4)
与えられた微分方程式の特性方程式は t3+4t=t(t2+4)=0
(5)
与えられた微分方程式の特性方程式は t2−14t−18=0 ⇔ 8t2−2t−1=0
y=C1exp(12x)+C2exp(−14x) (C1、C2:任意定数)
(6)
与えられた微分方程式の特性方程式は
t3−t2+100t−100=(t2+100)(t−1)=0
よってt=1、±10iであるので求める一般解は
y=C1ex+C2e10ix+C3e−10ix (C1、C2、C3:任意定数)
(4)、(6)はeの肩にiが含まれている項をオイラーの公式で変換し三角関数の形で書き、新たに任意定数を定めても等価な式となります。ただし、線形代数で「線形微分方程式の一般解は独立な解の線形結合で書ける」すなわち、「線形微分方程式の一般解は線形独立な解の重ね合わせで表せる」ということを既習しているので個人的にはこちらの形の方が良いと思います(今の場合、 2項の eの肩の符号が+,− になっているので線形独立です)。