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【永久保存版!】現役大学院生が教える量子力学のオススメ参考書

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物理学科の学生が古典力学、量子力学、熱力学の次に勉強するのが量子力学という学問です。量子力学は主に2~3年次に講義が開講されますが議論がとても抽象的で古典物理学で養った直観と反する結果が得られることが多々あるため、躓く学生が非常に多いです。

ここでは皆さんが図書館や書店で簡単に手に取れる本をピックアップするため、和書と和訳された洋書に限定して紹介していきたいと思います。

量子力学を勉強する前に

量子力学とはどういう学問か

さて、学部の量子力学のポイントは大きく分けて2つです。

1つ目は線形代数を用いて量子力学を整理することです。誤解を恐れずに言えば、大学の量子力学は線形代数に物理的な意味を付与することです。

今まで線形代数で勉強した定理を物理的にとらえることが最も重要な目標です。

2つ目は不確定性原理を理解することです。不確定性原理によれば、座標と運動量を同時に正確に測定することはできません。これが古典力学と相いれない結論であり、この原理を理解することが量子力学では重要なのです。

これらは重要な点であると同時に、学生が躓きやすいところでもあります。量子力学を勉強する時はこれら2つについて理解することを目標に頑張りましょう。

量子力学に必要な物理数学

前述の通り、量子力学には線形代数という数学的手法が必要です。大学の量子力学ではシュレーディンガー方程式を固有値問題として扱います。

名前から明らかなように、粒子のエネルギー固有値を解析する数学的手法が線形代数なのです。

線形代数が苦手な人は量子力学を勉強し始める前に学部1年でやった線形代数の復習を復習しましょう。

量子力学の基礎を理解したい人への4冊

量子力学をサクッとマスターするならコレ!

馬場敬之、『量子力学』、マセマ、2022
【難易度:★☆☆☆☆ ボリューム:★☆☆☆☆ 網羅性:★★☆☆☆】

単位取得が危ういので量子力学の基礎をサクッとマスターしたいという人にはこの本がオススメです。

発展的な問題は扱っていませんが、量子力学の基礎を例題を交えて分かりやすく解説しています。なお、マセマのシリーズはそれぞれの分野をマスターするために最低限必要な知識が分かりやすくまとめられているので、新しい分野を勉強する時の1冊にオススメです。

量子力学の基本を理解したいアナタにオススメ!

前野昌弘、『よくわかる量子力学』、東京図書、2011
【難易度:★☆☆☆☆ ボリューム:★★☆☆☆ 網羅性:★☆☆☆☆】

量子力学の基礎を理解したい人には、前述のマセマのほかにこの本もあります。FAQや補足という形で初学者が疑問に思いやすいところを徹底的に解説しています。
なお、演習問題の解答は本には掲載されていませんが、著者のホームページでダウンロード出来ます。

初学者が読みやすいように工夫が凝らされた量子力学の入門書!

小出昭一郎、『量子力学(I), (II)』、裳華房、2022
【難易度:★☆☆☆☆ ボリューム:★☆☆☆☆ 網羅性:★★☆☆☆】

この本は物性物理の研究で有名な小出先生が執筆した入門書です。
各内容について導入の後例題を解説するというスタイルを取っています。
難易度はマセマシリーズ・よくわかるシリーズと同じくらいですが、同著者による『量子力学演習』と同じ言い回しをしている箇所が多いため、後々それらの本を読みたいと思っている人はマセマシリーズ・よくわかるシリーズではなくこちらをオススメします。

しっかりと量子力学を理解していきたい人にオススメ!

砂川重信、『量子力学』、岩波書店、1991
【難易度:★★☆☆☆ ボリューム:★☆☆☆☆ 網羅性:★★☆☆☆】


こちらは砂川先生による量子力学の入門書です。
先程の本と比べると、例題をかなり厳選して紙数を節約している代わりに散乱問題など発展的な話題についてより詳細に解説をしています。根気強くしっかり計算を追っていく自信のある人はこの本を1冊目にしても良いでしょう。

量子力学の問題演習をしたい人への4冊

サクッと量子力学の問題演習をしたいアナタにオススメ!

小出昭一郎、『量子力学演習』、裳華房、2020
【難易度:★☆☆☆☆ ボリューム:★★☆☆☆ 網羅性:★★☆☆☆】

量子力学の問題演習をサクッとこなしたい人にオススメなのがこの本です。
量子力学の基礎的な問題が収録されています。前述の小出先生の教科書同様大変分かりやすいです。理論的な側面を問う問題よりも、法則を利用した計算問題が多く収録されています。

量子力学のエッセンスを凝縮した、標準的な問題集!

中嶋貞雄他、『例解 量子力学演習』、岩波書店、2020
【難易度:★★★☆☆ ボリューム:★★☆☆☆ 網羅性:★★★☆☆】

量子力学の標準的な問題を集めて、丁寧な解答で解説が書かれているスタンダードな演習書です。院試勉強のとっかかりの1冊として有用です。

収録問題数約900問!辞書として持っておきたい問題集!

後藤憲一他、『詳解 量子力学演習』、共立出版、1982
【難易度:★★★★☆ ボリューム:★★★★★ 網羅性:★★★★★】

演習書として古くから使われ続けている本としてこの本があります。
この本は量子力学の初歩から始めて前期量子論や標準的な量子力学の内容、更には量子論がどのように化学や生物学に応用されるかという問題も収録されています。収録問題数は約900問とかなり豊富であり、網羅性という点において他の演習書の追随を許さない本であると言えます。
全てこなすのは現実的ではありませんが、分からない問題を調べるための辞書として有用であるため、しっかりと量子力学を勉強したいという人はぜひ持っておきたい1冊です。

現代物理学へのつながりを意識した好個な問題集!

小谷正雄他、『大学演習 量子力学』、裳華房、1959
【難易度:★★★★☆ ボリューム:★★★★☆ 網羅性:★★★★☆】

こちらの本は『詳解 量子力学演習』と本の特徴は殆ど同じで、かなりボリュームがあります。
しかし、『詳解 量子力学演習』と違って問題ごとに[A]、[B]、[C]と難易度されているため、取り組む問題の取捨選択を行いながら段階的に演習をしていきたい人にはこちらをオススメします。
特に前期量子論の記述が歴史に沿ったものになっていて大変分かりやすいです。

ちょっと寄り道したい人への1冊

量子論の数学的側面ついて学習してみたい人への入門書!

清水明、『量子論の基礎』、サイエンス社、2004
【難易度:★★☆☆☆ ボリューム:★☆☆☆☆ 網羅性:★★☆☆☆】

量子力学の基礎を学び終えた後、量子力学の数学的な枠組みに興味を持った人もいるかもしれません。
そんな人へオススメなのがこの本です。院試問題を解くという意味では役に立つ部分は必ずしもおおくありませんが、気になったら参照してみると良いでしょう。

より深く量子力学を学びたい人への4冊

量子力学を本格的に学ぶ人のバイブル!

原田勲・杉山忠男、『量子力学1・2』、講談社、2009
【難易度:★★★★☆ ボリューム:★★★★☆ 網羅性:★★★☆☆】

量子力学を本格的に学びたい人へ真っ先にオススメしたいのがこの本です。
1つ1つの法則について順番にまとめて、例題の解説を行った後に演習問題が収録されているためとてもバランスが良いです。

海外の研究者による名著!

シッフ、『量子力学 上・下』、裳華房、1959
【難易度:★★★★☆ ボリューム:★★★☆☆ 網羅性:★★★☆☆】

量子力学の第一人者によって書かれた名著です。海外の大学には教科書に指定されていることも多く、標準的な教科書として持っておくと便利です。

演習問題に重点が置かれた本格的な教科書!

猪木慶治・川合光、『量子力学I・II』、講談社、1994
【難易度:★★★★☆ ボリューム:★★★★☆ 網羅性:★★☆☆☆】

上記のシッフによって書かれた2冊の本とは違って、計算問題に重点を置かれているのが本書です。問題はいずれも大学院入試レベルの難易度・分量になっているため、大学院入試対策にはおすすめです。

しかし、やや難易度が高めに設定されているため他の本で量子力学の入門を行ってから取り掛かると良いでしょう。

量子力学の名著!

J.J.サクライ、『現代の量子力学 上・下』、吉岡書店、2022
【難易度:★★★★★ ボリューム:★★★★★ 網羅性:★★★★★】

この本は前述の猪木・川合先生による教科書とは異なり、線形代数的な側面を強調して書かれている現代的な教科書です。各章末にたくさんの演習問題がのせられており、とにかく問題を解きながら理解していきたい人にはおすすめの1冊(2冊?)です。

まとめ

さて、いかがだったでしょうか?
入門書を探している人、演習書を探している人、発展的な本を探している人、様々かもしれませんが少しでもこの記事が皆さんの参考になることを願って筆をおきたいと思います。

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