波動論03
今回も波動論について学習していきましょう。
今回からは光学についてまとめていきます。
この授業では波動論の様々な分野をなるべく簡単な言葉で要約していくことを目指します。
屈折と反射
媒質中の光の性質は屈折率nで要約されていると言って良い。一般に屈折率は定数ではなく、波数kに依存する関数n(k)であるが、多くの場合は定数とみなせることが知られている。このような場合、屈折率nの媒質中での分散関係は以下のようになる。
ω=cnk
これは、媒質中で波長がλ→λ/nになると言っても良い。
反射においては入射角θiと反射角θrに対して反射の法則θi=θrが成り立つ。屈折においては以下のようなSnell の屈折の法則が成り立つ。
n1sinθ1=n2sinθ2
更にそれぞれの媒質中での波の速さについて以下の式が成り立つ。
n1n2=v2v1=sinθ2sinθ1
屈折率が大きい物質から小さい物質へ光線が入射するときには、全反射という現象が起きうる。全反射が起こる角度はそれぞれの物質の屈折率に依存する。全反射が起こる入射角の最小値θ1はSnell の法則において、屈折角をあらわす角度変数θ2にθ2=90∘を代入すれば求まる。
干渉と回折
波の重ね合わせに由来する最も代表的な現象が干渉である。例えば、次のような波を考えよう。
f(x,t)=Acos(kx−ωt) , g(x,t)=Acos(kx−ωt+π)
このとき、波の位相差はδ=πであり、f(x,t)=−g(x,t)が明らかに成り立っている。よってこれらの波は足し合わせるとちょうど打ち消し合っていることが分かる。これを波の弱め合いという。一方で、位相差がδ=2πとなるときは、f(x,t)=g(x,t)が成り立つ。このときを波を強め合いという。以上の議論を一般化すると、次のようにまとめられる。
強め合いの条件:δ=2mπ (m=0,±1,±2,⋯)
弱め合いの条件:δ=(2m+1)π (m=0,±1,±2,⋯)
従って、以下では、それぞれの現象においてどのような場合に強め合い・弱め合いが起こるのかを議論していくことになる。
2重スリット干渉
波数kの電磁波(光源)が距離がdだけ離れたところに置かれた2つのスリットを通り抜けた後に経路差がΔxになっているとすると、位相はδ=kΔxだけずれる。中心から角度θだけ傾いたところではΔx=dsinθとなる。故に以下のように公式化できる。
強め合いの条件:dsinθ=mλ (m=0,±1,±2,⋯)
弱め合いの条件:dsinθ=(m+1/2)λ (m=0,±1,±2,⋯)
単スリット回折
狭い単スリットの幅をaとすると(このときのaは単スリットの幅であり、後に出てくる粒子の大きさaとは違うものなので注意)、弱め合いになる条件は、
asinθ=mλ, m=1,2,…
である。これは二重スリットの式と似ているが、単スリットの回折の最小値は二重スリットの干渉の最大値と類似の式であるということに注意。単スリットの式ではm=0は含まれていない。m=0は最大値である。
スリットとスクリーンの間の距離をLとすると、干渉縞の中心から1つ目の弱め合いが起こる点までの距離はLtanθということも分かる。
また、この(1)は何故a∼λのときに回折の効果が見られるのかということも教えてくれる。a<λなら、(1)はθについての解をもたず、中心の最大値がスクリーンを満たすことになる。a≫λなら、最小値が互いに接近してぼかされてしまう。
光路長と薄膜干渉
屈折率n1の媒質から屈折率n2の媒質に光が入射するとき、n2>n1であれば反射波の位相は入射波の位相からπだけずれることが知られているので、強め合いと弱め合いの条件が入れ替わる。$n_2
レンズの口径をDとすると、2つの点光源の最小分解可能角度θについてDsinθ=1.22λが成り立つ。これをRayleigh の分解能という。
電子線回折(Bragg 反射)
光の干渉と同様に、波長λ=h/(mv)の電子波の干渉を考える。
結晶面の間隔がd、結晶面とX 線の成す角がθのとき、波長λのX 線の回折条件は以下のように公式化できる。
強め合いの条件:2dsinθ=mλ (m=0,±1,±2,⋯)
弱め合いの条件:2dsinθ=(m+1/2)λ (m=0,±1,±2,⋯)