波動論04
今回も波動論について学習していきましょう。
今回はレンズの性質を主に議論していきます。
この授業では波動論の様々な分野をなるべく簡単な言葉で要約していくことを目指します。
レンズの基本公式
薄レンズにおける関係式は幾何学的な関係から直ちに導くことができる。幾何光学におけるレンズの公式は以下の通り。
1a+1b=1f , magnification=|ba|
a,b,fの符号とレンズや像の関係は次のようにまとめられる。
f>0:凸レンズ、凹面鏡
f<0:凹レンズ、凸面鏡
b>0:実像(物体からレンズを見て、像はレンズの後方)
b<0:虚像(像はレンズの前方)
a>0:実物体(物体はレンズの前方)
a<0:虚物体(組み合わせレンズにおいて、物体が2枚のレンズの後方にできるとき)
導出はそれぞれの場合に後で述べることにする。
レンズの問題で一番よく出題される応用例が組み合わせレンズであるが、組み合わせレンズは手前のレンズによる像が奥のレンズに対する光源であるとして計算を行うだけで良い。なお、組み合わせレンズでは2枚のレンズの後方に物体ができることがある。このとき、a<0として考える必要があることに注意。
凸レンズによる実像
{ΔABO∼ΔA′B′O: h′h=baΔCOF′∼ΔA′B′F′: h′h=b−ff⟺ba=bf−1=bf−bb
以上より、レンズの公式が次のように導ける。
1a+1b=1f , magnification=|ba|
凸レンズによる虚像
{ΔOAB∼ΔOA′B′: h′h=baΔCOF′∼ΔA′B′F′: h′h=b+ff⟺ba=bf+1=bf+bb
以上より、レンズの公式が次のように導ける。
1a−1b=1f , magnification=|ba|
凹レンズによる虚像
{ΔOAB∼ΔOA′B′: h′h=baΔCOF′∼ΔA′B′F′: h′h=f−bf⟺ba=−bf+1=−bf+bb
以上より、レンズの公式が次のように導ける。
1a−1b=−1f , magnification=|ba|
球面鏡による反射
幾何光学で利用されるような理想化された球面鏡では近似的に以下の公式が成り立つ(円は焦点を持たないため正確には成り立たない。これを球面収差と言う。放物面鏡では球面収差は起こらない)。
f=R2
これを凹面鏡の場合はそのままf=R/2、凸面鏡の場合はf=−R/2として利用すれば良い。
周辺が空気の場合(屈折率は1とする。)、レンズの入射側の曲率をR1、出射側の曲率をR2とすると、以下の公式が成り立つ。
1f=(n−1)(1R1−1R2)
R1は正なら凸レンズで負なら凹レンズ、R2は負なら凸レンズで正なら凹レンズである。
Kepler 型望遠鏡
組み合わせレンズの問題はレンズの基本公式を複数回使うだけだから全ての組み合わせパターンを公式化して追加で覚えておく必要はないだろう。しかし、頻出のパターンはあるので押さえておくべきである。その典型例がKepler 型望遠鏡である。
レンズの公式を2つのレンズにそれぞれ適用すると、
1a+1b=1fo , 1a′+1b′=1fe
ここで、a→∞とb′→∞という極限を取ることによりa′=feとb=foが成り立つ。
従って、Kepler 型望遠鏡の倍率は
Magnification=ba×b′a′=b′a⏟∞∞→1×ba′∼fofe
と導ける。また、レンズ間の距離も近似的に、a′+b=fe+foとあらわせる。