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【物性物理学】物性物理学2-半導体と超伝導体

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物性物理学2

ここでは半導体と超伝導体の基本をまとめていきます。

半導体

半導体は温度が上がると抵抗が下がるという点で金属との性質が異なる。これは自由電子近似が半導体において成り立っていない証拠である。ドーピングには$2$つの方法がある。

 

  • p 型ドーピング
    ドープされた半導体が過剰にホールを含んでいるとき、p 型半導体と呼ぶ。p 型ドーピングの典型例はシリコンなどの真性半導体に微量のホウ素やアルミニウムなどを添加することで作られる。

 

  • n 型ドーピング
    ドープされた半導体が過剰に自由電子を含んでいるとき、n 型半導体と呼ぶ。n 型ドーピングの典型例はシリコンなどの真性半導体に微量のリンやヒ素などを添加することで作られる。

    p 型とn 型の半導体を接合した瞬間では、n 型側の多数キャリアである伝導電子とp 型側の多数キャリアである正孔がそれぞれ拡散することで拡散電流が生じる。このとき、電場はn 型からp 型の向きに掛かる。

超伝導体

超伝導とはある物質が低温下に置かれその物質特有の臨界温度まで温度が下がった時に物質の電気抵抗が$0$になるという現象である。超伝導現象は量子力学的な現象であり、古典物理学の範囲で理解することはできない。

 

  • マイスナー効果
    マイスナー効果とは超伝導状態になっている物質の内部から磁場が排除されるという効果である。弱い磁場の下では、超伝導体は殆ど全ての磁束を排除する。これは超伝導体の内部で磁場がほぼ$0$になっていることを意味する(正確には超伝導体の表面からの距離を引数として指数関数的に減衰する。)。これにより電流は表面付近を流れることになる。表面の電流による磁場は超伝導体内部の磁場とキャンセルする。この磁場を排除する効果は時間的に変化しないので、この効果は永続的に発生する。このことから表面を流れる電流を永久電流と呼ぶ。
  • クーパー対
    クーパー対とはBCS 理論において導入された。BCS 理論では電子・格子相互作用を介して電子同士がフォノンを仮想的に交換することによって、電子同士に引力が働くと考える。この引力によって生じる電子対(スピンは互いに逆向き、かつ対の全運動量が$\bm{0}$)をクーパー対と言う

超伝導状態を実現するためには電子が対となってボソン化し、最低エネルギー状態においてボース・アインシュタイン凝縮とみなせる状態をとる必要がある。従って、電子対はフェルミオンではなくボソンとして振る舞うことになる。

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