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【超対称性理論】第26講 トイモデル2

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トイモデル

前回のトイモデルの議論の続きを話していく。まず超対称性代数を導こう。このためには(161)の2つの微小超対称性変換ϵηを考える。スカラー場ϕに関しては

[δϵ,δη]ϕ=2i(ησμˉϵϵσμˉη)μϕ

を得る。これに対してWeyl フェルミオンψに関しては

[δϵ,δη]ψ=2i(ησμˉϵϵσμˉη)μψ2i(ˉϵˉσμμψ)η+2i(ˉηˉσμμψ)ϵ

を得る。

問題

関係式(163)と(164)を導け。

解答

前半部分は次のように容易に示すことが出来る。
[δϵ,δη]ϕ=δϵ2ηψδη2ϵψ=2i(ησμˉϵϵσμˉη)μϕ
後半部分は、Fierz 恒等式χα(ξθ)=ξα(θχ)θα(χξ)とスピノール関係式ξˉσμχ=χσμξを利用すれば、

[δϵ,δη]ψ=2i(σμˉηϵσμˉϵη)μψFierz=2i{ϵ(μψ)σμˉη+η(μψ)σμˉϵ(μψ)σμˉηϵ+(μψ)σμˉϵη}=2i(ησμˉϵϵσμˉη)μψ2i(ˉϵˉσμμψ)η+2i(ˉηˉσμμψ)ϵ

を得る。

運動方程式はˉσμμψ=0を暗示しているから、以下のように結論付けることが出来る。

[δϵ,δη]=2i(ησμˉϵϵσμˉη)μ

すなわち、いかなる場に適用された交換子もベクトルησμˉϵの平行移動に過ぎない。この結論を導くためには運動方程式が必要であるから、この代数はオンシェルにおいてのみ閉じているということに注意すべきである。

これまで我々はBoson とFermion の、相互作用と質量がない理論を考えてきた。次なる一歩として、相互作用を加えてみよう。相互作用が存在することで、運動方程式は非線型になる。これまで見てきたように、運動方程式の一部は2つの超対称性変換の交換子から生じるので、相互作用のある理論において一般に非線型になる。しかしながら、追加の非力学的な複素スカラー場Fを導入することによって、それらの場が線型に保たれる。この場は、積分可能なLagrange の未定乗数とみなすことが出来る。すなわち、その非力学的な運動方程式を用いることで消去することが出来る。従って、補助場を導入したとしても理論は依然として2つのBoson 的自由度と2つのFermion 的自由度をシェル上に有することになる。

Lagrangian の自由な部分は

Lkin=μϕμϕiˉψˉσμμψ+FF

であり、次のような項を加えることが出来る。

Lmass=m(12ψψ+ˉψˉψ+Fϕ+Fϕ)

この項は、もしFが積分すればFermion の質量mを生成することが出来て、それは同様にスカラー場ϕの質量にもなる。更に、次のような相互作用項を考えることも出来る。

Lint=g(ϕ2F+ϕ2Fψψϕˉψˉψϕ)

合計のLagrangian L=Lkin+Lmass+Lintは以下の超対称性変換の下で不変である。

δϵϕ=2ϵψ  δϵψα=+2ϵαF+2i(σμˉϵα)μϕ  δϵF=2iˉϵˉσμμψ

Lagrangian (166)、(167)、及び(168)において補助場Fは微分項なしに現れる。従って、Fは非力学的であり、Fを積分する運動方程式を用いて消去することが出来ると分かるのである。上で与えたFを用いると、運動方程式は

F=mϕgϕ2

となるから、オンシェルのときのLagrangian は

Lonshell=μϕμϕiˉψˉσμμψ12mψψ12mˉψˉψgϕψψgϕˉψˉψ

となる。特にオンシェルの理論における超対称性変換は場に対して非線型で、

δϵϕ=2ϵψ  δϵψ=2i(σμˉϵ)μϕ2(mϕ+gϕ2)ϵ

となることに注意せよ。この小節での結論は、N=1超対称性カイラル多重項の場を含むような、相互作用のある場の理論が存在するということを主張している。これをWess-Zumino モデルという。我々はFを手で加えることで超対称性理論を構築したから、当然、超対称性変換の下で不変であることが保証されているような超対称な理論をよりエレガントに定式化する方法は無いのかという疑問が生じることになる。これは次の小節で論じるN=1超空間定式化によって解決することになる。

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