部分積分
部分積分として不自然に知られているテクニックは、以下の導関数の積法則を利用している。
ddx(fg)=f(dgdx)+g(dfdx)
この両辺を積分し、基本定理を思い出すと、
∫baddx(fg)dx=fg|ba=∫baf(dgdx)dx+∫bag(dfdx)dx
または以下の式を得る。
∫baf(dgdx)dx=−∫bag(dfdx)dx+fg|ba
これは部分積分である。これはある関数fの積と別の関数gの導関数との積を積分しなければならないような状況で利用することが出来る。境界項にマイナス符号をつけて導関数をgからfに変換することが可能となる。
問題
次の積分を評価せよ。
∫∞0xe−xdx
解説
指数関数は以下のように導関数であらわすことが出来る。
e−x=ddx(−e−x)
従って、この場合、f(x)=x、g(x)=−e−xであり、df/dx=1だから、
∫∞0xe−xdx=∫∞0e−xdx−xe−x|∞0=−e−x|∞0=1
と計算することが出来る。
我々はベクトル解析の積法則を適切な基本定理と一緒に全く同じ方法で利用することが出来る。例えば、
∇⋅(fA)=f(∇⋅A)+A⋅(∇f)
を体積で積分して発散定理を適用することで
∫∇⋅(fA)dτ=∫f(∇⋅A)dτ+∫A⋅(∇f)dτ=∮fA⋅da
もしくは
∫Vf(∇⋅A)dτ=−∫VA⋅(∇f)dτ+∮SfA⋅da
を得ることが出来る。ここで非積分関数は再びある関数fともう1つの関数Aの微分(今は発散)という形になっている。更に、部分積分でAの導関数がfの導関数に移り変わって(但し、勾配になっている。)符号がマイナスに変わり、境界項(今は面積分)が現れている。
ある関数ともう1つの関数の導関数の積を含む積分がそんなに頻繁に現れるのかと疑問に思うかもしれないが、驚くことに、このような状況は頻繁に現れることになる。そして、部分積分はベクトル解析において最も強力なテクニックであることが明らかとなるのである。