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【電磁気学】第10講 ベクトルの微分②-ナブラ演算子

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ナブラ演算子

勾配はベクトルの形をしていて、次のようにスカラーTに作用する。

T=(ˆxx+ˆyy+ˆzz)T

ここでの議論に限り、単位ベクトルを左側に書いた。これは、ˆxが定ベクトルであるが故にˆx/x=0などと誤解されるのを防ぐためである。この式の括弧の中身はナブラ演算子と呼ばれていて、

=ˆxx+ˆyy+ˆzz

と書く。

勿論、ナブラ演算子は通常ベクトルではない。実際、関数に作用するまでは意味を持たせることが出来ないためである。

そして、これは単なる掛け算ではなく、後ろに続くものを微分するというものである。

正確には、ナブラ演算子はただ単にTに掛かるベクトルなのではなく、Tに作用するベクトル演算子(vector operator)であると言われる。但し、この条件では、作用を掛け算であると翻訳すれば、ナブラは通常のベクトルの振る舞いをほぼあらゆる点で模倣する。通常のベクトルを使って出来ることは殆ど何でもナブラでも出来る。

だから、とにかくナブラ演算子の導入を真剣に認めてほしい。ナブラの恩恵を受けずに書かれたMaxwell の電磁気学に関する最初の研究を参考にしたことがあれば分かるのだが、ナブラ演算子を導入した電磁気学は驚くほど明快に表記法の簡略化がなされているのである。

さて、通常のベクトルAには以下のような3通りの積があった。

  1. スカラーaの掛け算:Aa
  2. ベクトルBとの内積:AB
  3. ベクトルBとの外積:A×B

これに対応して、ナブラ演算子にも以下のような3通りの作用がある。

  1. スカラー関数Tの掛け算への作用:T
    これは勾配に他ならない。
  2. ベクトル関数vとの内積による作用:v
    これを発散(divergence)という。
  3. ベクトル関数vとの外積による作用:×v
    これを回転(rotation)という。

勾配については既に議論した通りであるから、次の講義2回で2つのベクトルの微分、発散と回転について考えることにする。

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