MENU

悩める大学生に!第二外国語を効率よく習得する勉強法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

現在,多くの大学では,教養課程において,第二外国語の習得を必修としていたり,必修ではないまでも,主要科目としています.

つまりは第二外国語の比重はそれなりに重いわけですが,そんななかで,あまり世間的には周知されていないのが,第二外国語の勉強法ではないでしょうか.

そこで本記事では,第二外国語に苦手意識がぬぐえなかったり,どうしても点数が伸びない,といった悩みを抱える大学生に向けて,第二外国語の勉強が捗る一般的な勉強法を紹介します.

1.第二外国語,そもそもどんなもの?

そもそも,第二外国語と私が言っているのは,どういった語学のことでしょうか.

対象言語については,おおよそ,二種類に分類できます.

1/ 現代ヨーロッパ諸語(フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・ロシア語・オランダ語・ポルトガル語,etc.).
2/ 現代アジア諸語(中国語・韓国語,etc.).
さらに,第二をクリアし,第三外国語を学ぶ場合には,古典語(ヘブライ・サンスクリット・ギリシア・ラテン・古英語・古仏語・古独語,etc.)や,マイナー言語(アラビア・北欧諸語・東欧諸語,etc.)などがあるでしょうか.

本記事としては,できるだけ一般的なアドバイスを行なっていきたいですが,基本的には,「第二外国語」と呼ぶ場合,現代・古典ヨーロッパ諸語を念頭に置いています.

つまり,アジア系,アラビア系などの諸言語については,カバーできない可能性がありますが,ご容赦ください.

■ 授業の種類について

授業の種類については,一般的な大学で開講されている授業の内容にしたがって,四つくらいに大別できます.

1/ 文法習得.まずは,基礎的な文法を確認する授業があります.英語でいえば,中学レベルのものを,1年かけて習得するイメージです.
2/ 日常会話(オーラル).文法と並行して,オーラルの授業があります.多くの場合,実際のニュースを聞いたり,旅行のシチュエーションを想定した会話をしてみたり,自己紹介をしてみたり,基本的な会話に終始します.
3/ 購読系.ある程度習得できたら,実際にテクストを読む授業があります.初級では,教科書的な簡単なパッセージ・児童文学など,中級では,新聞記事やエッセイなど,上級では,本格的な小説,詩,哲学書などを購読します.
4/ アカデミック・ライティング.第二外国語を極め,これを英語並みに使えるようになりたいと思う猛者は,最終的にライティングの授業に集います.ここでは,基本的に学術論文を書くために必要なスキルを叩き込まれるものです.

この記事では,基本的に,1のレベル,つまり,基本的な文法のレベルでポイントになることを解説します.

2.習得の鍵その① まずは英語を固めよう.

第二外国語は,一般に,英語を習得していることを前提に進められます.

問題は,この場合の英語の習得というのは,喋れるとか読めるとかいうことよりも,文法事項をマスターしていることである,という点です.

つまり,一般に受験英語で,「文法解析」とか「英文解釈」とかの問題が表立って出てくることはありませんから,そういう訓練を受けていないと,いきなり第二外国語の学習で躓いてしまいます.

というのも,第二外国語は,短い期間で初等文法を学ぶ必要があるので,基本的な文法規則を,あまり具体的な例文などに頼らず,理論の枠組みのなかで覚えきる必要があるからです.

それに,英語を除くヨーロッパ語の多くは,基本的な文法規則に対して厳格で,例外が少ない傾向にありますので,そういう点でも,文法を体系的かつ理論的に覚える必要があるのです.

しかし,このことはそんなに難しいことではありません.

第二外国語を学びつつ,「この文法は英語でいう何だろう…」と,常に英語と対照しながら進めればいいのです.
英語を意識すること,これが第二外国語の上達の第一歩です.

当然ながら,新しく知る事柄に対して文法上の呼び名を習っても,名辞と内容が一致しにくいことがありますが,英語ですでに知っている事柄について,新たな名前を与えるだけならば,手続きが簡略になり,混乱が生じにくくなりますね.

3.辞書・文法書は必ず揃えよう.

さて,英語と対照しつつ文法を学ぶ,と言っても,そもそも,任意の第二外国語について,その教科書が文法的な整理を明確にしてくれていなければ,英語との対照も困難になるでしょう.

■ なぜ辞書や文法書が必要か.

そこで,辞書や文法書の類は,必ず良いものを揃えておかなくてはなりません.
しかしそうはいっても,辞書はともかく教科書は,学校が指定するものがあるから,自分で文法書を買う必要があるのか?と疑問に思う人もいるでしょう.

それは場合によりますが,ほとんどの場合は,その必要は,大ありです.

なぜかというと,学校の文法書は,近年,基本的な日常的言語運用にコミットしすぎていて,文法的な体系性がとれていないことがあまりに多いからです.

言ってみれば,簡単にしすぎたあまり,理解困難になってしまっているのです.これでは,しらみつぶしにひとつひとつの例文を暗記する以外に,第二外国語の勉強法はなくなってしまいます.

■ どういう文法書を買うべきか

そういうときに役立つのが文法書です.ここで文法書と言っているのは,文法について体系的に書かれた,決定版のようなものを指します.

フランス語では朝倉季雄『新フランス文法事典』,ドイツ語なら関口存男『基礎ドイツ語』,ラテン語なら中山恒夫『標準ラテン文法』,ギリシア語なら田中美知太郎『ギリシア語入門』といった具合に,各言語の文法書には,金字塔と呼ぶべき決定版が存在します.

できるだけ格式高く,信頼のおける文法書を入手することが理想ですが,なかなか初学者には優劣がわからないものです.そのときは,先輩や先生に,直接聞いてみるのが一番です.

その分野に精通する人からみても,優れた初等文法書というのは,一生をかけて,事あるごとにお世話になるものですから,きっといいものを教えてもらえることでしょう.

■ どういう辞書を買うべきか

辞書については,個々人の英語の出来次第で,買うべきものが変わってきます.
というのも,もし英語に自信があれば,オックスフォードから出ている英訳辞書が一番だからです.

しかし,いきなり英語の辞書を手に取るのはなかなかハードルが高いですから,日本語のものでも,決定版と言われる,できるだけいいものを買っておきましょう.先生や先輩やらに聞き込みをして,理想のものを選びましょう.

辞書が悪いと,訳語も悪くなりますし,品詞などの文法事項についての理解も深まらず,結局は上達が遅れてしまいます.
ポイント. 辞書・文法書の類には投資を惜しまず,できるだけいいものを買う事.これが上達の秘訣です.

4.とにかく単語を覚えよう.

これまで,基本的な文法についての効率的な勉強法として,英語と対照すること,良い文法書・辞書をできる限り多く参照することなどをまとめてきましたが,ここで,最も根本的な上達法について触れておきます.

それは,とにかく単語を覚えてしまうことです.
何を当たり前のことを…という気もするでしょうが,実際,この原始的な方法が,初学者の上達には一番です.

というのも,大学で必修になる程度の入門レベルでは,英語で学んだ事以上に複雑な文法事項は,2,3出てくるくらいだからです.(フランス語ではジェロンディフとか,ドイツ語では分離動詞の使い方とか,その程度の事柄です.)

だから,文法的には,英語に対照するという基本がしっかりできていれば,頭を悩まされることはないわけです.

そのかわり,重要になってくるのが単語の浸透具合です.
基本的に,新たに学ぶ外国語というのは,単語がわからなければ,意味がさっぱりわかりません.

ドイツ語やロシア語,ギリシア語のように,英語から遠くなればなるほど,単語はまっさらな状態から覚えなくてはならないので,労力がかかりますが,これなしにはどんな簡単な文章でも理解することができません.

私の知人には,フランス語の文法をほとんど学ばず,単語と熟語をひたすら暗記しただけで,某国立大学の大学院入学試験のフランス語試験に合格した人さえいるほど,暗記の力はあなどれません.

そのため,まずは単語をしらみつぶしに覚え,これをもとに,基本的な文法にしたがって習得するのが一番効率的と言えます.

また,まずはその言語に体を慣らす,という眼目から言っても,単語の暗記はまず優先的にやるべきことと言えるでしょう.

まとめ

以上,大学の第二外国語の授業で,どうすれば理解度・成績をアップできるかということについて,ポイントを解説してみました.

出てきたポイントを箇条書きにまとめると,こうです.

1/ まずは英語と対照して,文法を理解する.
2/ 英語と上手に対照するためにも,良質な文法書を買っておく.
3/ 辞書はいいものを買わないと,基礎的な理解度が深まらないリスクがある.
4/ 単語の暗記は,文法とは別途,体力作りとして積極的に取り組む.

いかがでしょうか.これを参考に,大学の第二外国語をマスターしてみましょう.

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。