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【共形場理論】第16講 エネルギー・運動量テンソルと共形場理論

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エネルギー・運動量テンソルと共形場理論

場の量子論で見たNoether の定理に加えて、全ての連続対称性は保存電荷に関連付けられる。並進における保存電荷はエネルギー・運動量テンソルTμνであったのに対して、Lorentz 変換における保存電荷はNμνρ=xνTμρxρTμνによって与えられる。関連するNoether 電荷は次のようになる。

{Pν=dd1xT0νMνρ=dd1x(xνT0ρxρT0ν)

残された共形変換、すなわち、スケール変換と特殊共形変換もそれぞれ保存電流J(D)μJ(K)μνを生じる。

J(D)μ=xνTμν  J(K)μν=x2Tμν2xνxρTμρ

今、考えている作用の式は
δS=ddx {(E.o.M.)δϕi+μ(L(μϕi))δϕi}
である。右辺の中括弧{ }内の第2項は特にμTμνδxνと書ける。但し、
δϕi=νϕiδxν  Tμν=δLδ(μϕ)νϕi
である。このとき、カレントはTμνδxνであり、今は特にTμνϵμ(x)として考えている。
ϵμ(x)=aμ+ωμνxν+λxμ+bμx22(bx)xμ
であるから、残りのスケール変換と特殊共形変換のチャージはそれぞれ(83)、(84)で与えられる。対応する生成子は次のようになる。

{D=dd1xxρT0ρKν=dd1x(x2T0ν2xνxρT0ρ)

これらの対称性はエネルギー・運動量テンソルに制限を課す。場の量子論で見たように、これはLorentz 不変性と並進不変性によって添字に対して対称な、すなわち、Tμν=Tνμが成り立ち修正エネルギー・運動量テンソルと呼ばれるものになる。もし理論においてスケール変換不変性が考慮されている場合には、そのエネルギー・運動量テンソルはトレースレス、すなわち、Tμμ=0となる必要がある。何故なら、

0=νJ(D)ν=ν(xρTνρ)=(νxρ)Tνρ+xρνTνρ0=Tρρ

となるからである。スケール変換による電荷、あるいはそれに対応した電流はそれぞれスケール変換を生成する。従って、エネルギー・運動量テンソルがトレースレスであることは場の古典論におけるスケール不変性を保証する。

問題

Lorentz 符号のエネルギー・運動量テンソルを以下で定義する。

Tμν=2gδSδgμν

但し、S=ddxgLは古典的な作用である。Tμνは対称かつゲージ不変であることも分かっている。作用Sの場の理論がスケール不変であるなら、Tμνがトレースレスであることを示せ。

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