ベクトル解析演習2
今回はベクトル解析の空間曲線に関する外積計算の問題演習をしましょう。
要点のまとめ
ここでは、微分や偏微分が可能な関数のみを考えます。
変数t(物理では時間であることが多い)に依存して決まるベクトルr(t)を変数tのベクトル値関数と言います。空間内のベクトル値関数はr(t)=(x(t),y(t),z(t))と表せます。各成分にスカラー関数が入っていると思えば良いだけです。ベクトル値関数r(t)=(x(t),y(t),z(t))の微分を˙r(t)=(˙x(t),˙y(t),˙z(t))と定義します。高階の微分も同様に定義します。
このとき、ベクトル値関数u(t),v(t)、関数f(t)、スカラーλ,μについて以下が成り立ちます。
ddt(λu+μv)=λ˙u+μ˙v, ddt(u⋅v)=˙u⋅v+u⋅˙v,
ddt(u×v)=˙u×v+u×˙v, ddt(fv)=f′v+f˙v
また、ベクトル値関数r(t)と変数変換t=t(u)との合成関数r(t(u))の微分に関して、drdu=dtdudrdtも成り立ちます。
問題2
(1)
空間内の円運動r(t)=(acosωt,asinωt,0)(a,ωは正の定数)に対し、r⋅˙r, ˙r⋅¨r, ˙rרrを求めよ。
(2)
空間曲線x=3cost, y=3sint, z=4tの単位接ベクトルを求めよ。
(3)
空間曲線x=t2, y=t, z=1の単位接ベクトルを求めよ。
(4)
空間曲線x=t, y=t2, z=23t3の単位接ベクトルを求めよ。
解答2
(1)
r(t)=(acosωtasinωt0) , ˙r(t)=(−aωsinωtaωcosωt0 ) , ¨r(t)=(−aω2cosωt−aω2sinωt0 )
より
r⋅˙r=0 , ˙r⋅¨r=0 , ˙rרr=(00a2ω3)
(2)
˙r=(−3sint,3cost,4) , |˙r|=5
よって求める単位接ベクトルは ±15(−3sint,3cost,4)
(3)
˙r=(2t,1,0) , |˙r|=√4t2+1
よって求める単位接ベクトルは ±1√4t2+1(2t,1,0)
(4)
˙r=(1,2t,2t2) , |˙r|=12t2+1
よって求める単位接ベクトルは ±12t2+1(1,2t,2t2)