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【量子力学入門01】粒子性と波動性1

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はじめに

今回から量子力学について入門的な解説を行います。

量子力学を学ぶ際には、いくつかの難しいポイントがあります。これらは理論の複雑さや抽象度、そして従来の直感とは異なる考え方に関連しています。以下に代表的な難しいポイントを挙げます:

1. 抽象的な数学と物理の概念
波動関数と確率の解釈:波動関数は物理的な「物体」ではなく、システムの状態を表す数学的な対象です。このため、波動関数が何を意味するのか、どのように解釈すべきかを理解するのが難しいことがあります。
演算子と測定:量子力学では、物理量(位置、運動量、エネルギーなど)は演算子として表され、これらの演算子が波動関数に作用して測定結果を導きます。演算子の数学的な扱いと、その物理的な意味を理解するのは挑戦です。
2. シュレーディンガー方程式の解法
複雑なポテンシャルの扱い:シュレーディンガー方程式は一般に非線形で複雑なポテンシャルのもとでは解くのが難しく、近似解や数値的手法が必要になることがあります。
境界条件と正規化:波動関数を適切に定義し、境界条件を設定して解を正規化することも技術的に難しい場合があります。
3. 数学的な抽象化
線形代数と複素数の理解:量子力学の理論は、線形代数や複素数の知識が前提となっています。これらの数学的な概念に対する理解が不十分だと、量子力学の問題を解くのが難しくなることがあります。
これらの難しいポイントに対処するためには、基礎的な数学や物理の知識をしっかりと身につけ、問題に取り組む際には論理的かつ体系的なアプローチを取ることが重要です。また、量子力学の難解な部分については、専門家の解説やリソースを活用するのも有効です。

粒子性と波動性1

粒子あるいは粒とは日常で目にふれる長さにくらべて非常に狭い範囲内に物理的作用の源をもつもののことです。またここで言う波とは、我々の三次元空間を連続的に満たす媒質によって言い表される現象のことであり、言い換えれば場の時間空間的変化のことです。

 20世紀の初め頃の主流な立場は波動論でした。すなわち光が場の理論であったことはもちろん、物質粒子も場の理論から解釈しようとしたのです。例えばローレンツ(Lorentz)の電子論では電気は有限の密度をもって空間に分布していて、電子はある狭い範囲内だけでこの密度がゼロでないとすることによって表わされ、また相対論ではアインシュタイン(Einstein)は場の異常点すなわち場の量が不連続になる点で粒子を表すとするように考えられていました。

 しかしこの考えが満足でない事実が現れて来たのです。このことから、次の回でまず議論しましょう。光は波動的であったし、物質は粒子的であったと言う人がいますが、物質の粒子的性質を場の理論から解釈しようとしていたのが上に述べたように事実なのであって、上のような粒と波の考えには矛盾があるわけではありませんでした。矛盾点について次回見ていくことにしましょう。

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