共形場理論におけるくりこみ
場の理論において共形的であるために必要な条件は、その場のスケール不変性である。従って、くりこまれた理論における共形対称性のために必要な条件は全てのβ関数が消えることである。さもないと、アノマリー次元γが0でない値のまま残ってしまう。古典的スケール次元がΔのプライマリー演算子の2点関数を例に考えてみよう。β:=0において、第1章で議論したくりこみ群方程式は以下のように減らされる。
(μ∂∂μ+2γ)⟨O(x)ˉO(y)⟩c=0
次元解析から、くりこまれた理論における2点関数も古典的スケール次元が2Δであり、以下の式を満たす。
(μ∂∂μ−(x−y)⋅∂∂(x−y))⟨O(x)ˉO(y)⟩c=2Δ⟨O(x)ˉO(y)⟩c
スカラープライマリー場の2点関数は(x−y)の関数であり、μ→μ+δμ、(x−y)→(x−y)+δ(x−y)、O→O+δηO=(1+δη)Oのとき、2点関数
⟨O(x),ˉO(y)⟩c⟶(1+2δη)⟨O(x),ˉO(y)⟩c
を用いて、
2δη⟨O(x),ˉO(y)⟩c=∂⟨O(x),ˉO(y)⟩c∂μδμ+∂⟨O(x),ˉO(y)⟩c∂(x−y)δ(x−y)
を得る。次元解析から、以下のように同定している。
β⟶−(x−y) 、 γ⟶Δ
(116)は次の式を示唆している。
−(x−y)⋅∂∂(x−y)⟨O(x)ˉO(y)⟩c=2(Δ+γ)⟨O(x)ˉO(y)⟩c
くりこまれた2点関数におけるこの方程式の解は一般に
⟨O(x)ˉO(y)⟩c=f(g)(x−y)2Δ((x−y)2μ2)γ
となる。但し、正則性に関しては有次元スケールμを導入する必要があって、例えば適切なくりこみの方法を用いることになる。(74)と(79)より、γはスケール変換演算子の固有値に対する量子補正である。これによって以下のように書くことが出来る。
⟨O(x)ˉO(y)⟩c∼f(g)(x−y)2Δ0(1−γlnμ2(x−y)2+⋯)