今回は前回議論した内容の具体例を考えていきます。
例1
例として∫dz√z4+1を標準形に直すことを考えます。
φ(z)=z4+1=0の四つの根を
α0=1+i√2, α1=−1+i√2, α2=1−i√2, α3=−1−i√2
とすれば、
λ=α1−α0α1−α2α3−α2α3−α0, k=1−√λ1+√λ=√2−1√2+1
標準形に直すための一つの一次変換は次のようになります。
z−1+i√2z−1−i√2=1+i√2ζ−1ζ+1
これによって実際に計算してみると
∫dz√z4+1=(2−√2)i∫dζ√(1−ζ2)(1−k2ζ2) , k=√2−1√2+1
となります。この場合におけるzとζの関係を図示すれば次のようになります。
例2
次の例として∫dz√1−z2を標準形に直すことを考えてみましょう。
この場合には
α0=1 , α1=−1+√3i2 , α2=∞ , α3=−1−√3i2
としてみると、
λ=α1−α0α3−α0=1−√3i2 , √λ=√3−i2 , k=1−√λ1+√λ=(2−√3)i
求める一次変換の式は
z−α0α2−α0=ζ−1ζ+1√λ
すなわち
z−1=−√3ζ−1ζ+1
となります。これによって実際に変換を行えば
∫dz√1−z2=2√2i4√3(1+√3)∫dζ√(1−ζ2)(1−k2ζ2) , k=(2−√3)i
となって、ここにzとζの関係が分かります。
参考文献
参考文献は以下の通り。
[1]竹内端三,『楕円関数論』,岩波書店,1936
出版社在庫無し、著作権消失済み。
[2]E.T. Whittaker, et al., A Course of Modern Analysis (AMS PRESS, 1927)
著作権消失済み。
[3]戸田盛和,『楕円関数入門』,日本評論社,2001
[4]戸田盛和,『臨時別冊・数理科学SGC ライブラリ49 ソリトンと物理学』,サイエンス社,2006
同出版社より電子書籍の形で復刊済み。
[5]Landau・Lifshitz,『力学』,東京図書,2017